コロナ禍で金融緩和が続き金融市場となったアメリカ各社の株価は上がり続けました。しかし2021年9月は米国市場にとってかなり難しい相場になりました。
今回は9月の米国市場の振り返りと米国が抱える不安要素について解説していきます。
一緒に10月、11月の相場に備えていきましょう!
9月の米国市場の確認
下の図はアメリカS&P500(米国優良企業500社)の1ヶ月のパフォーマンスです。赤はマイナス、緑はプラスを意味します。
全体で見ると9月は赤が目立っていますね。特にここまでS&P500の株価を牽引してきたGAFAMは全て5%以上のマイナスです。
GAFAMに限らず、小売、薬品、ヘルスケア、素材などあらゆるセクターがマイナスになりました。一方右下のエナジーセクターは経済再開をきっかけに10%以上株価を伸ばしている銘柄が目立ちました。
中国恒大集団デフォルト問題
過去の記事にも出しましたが、中国の巨大不動産開発会社の債務不履行問題で信用不安が起きています。
この問題が未解決のため、市場では不安感が漂っています。中国経済失速の第一歩になる可能性があり、既に消費大国となった中国でこのような問題が起きることに世界経済をネガティブに考えさせています。
テーパリング
テーパリングとは金利引き上げに関する問題です。コロナショックによる経済失速の起爆剤として世界では金利の引き下げが起きていました。
アメリカでは経済が回復してきたので、そろそろ金利を引き上げても良いのではないかと議論が始まっています。アメリカのFOMC会議では、2022年内に金利引き上げた方がいいという考えがメンバーの多数を占めています。
金利は株価とシーソーの関係です。金利が上がれば株価は下がりやすくなり、金利が下がれば株価は上がりやすくなります。なので、この金利が上がるという議論が本格化している今、多くの投資家が投資金額を減らしており、株価が下がっていると言われています。
アメリカ債務上限
中国の債務不履行問題もありましたが、アメリカでも似たような現象が起きています。これはアメリカ政府の債務上限が設定値に近づいており、どのような決断をするのか注目されています。
しかし、アメリカの債務上限問題は2年に1度くらいのペースで問題になっており、毎度のように上限引き上げが決定されます。今回もそうなる可能性が高いと見られていますが、万が一の事に備えている投資家も増えています。
まだ株価はそこをタッチしていない
「そろそろ株価のそこまで落ちた」と楽観的に考えるのは早いと言われています。ここ最近のアメリカ市場は参加者が強気で暴落しても1日、2日で株価が下の水準まで戻ることが増えています。
これはこの1年間株価が強気に推移していったことが要因です。市場参加者が強気になりすぎている時が1番危険な状態と言います。
ここまで絶好調だったNIKEのような企業でも先日の決算でミスをしてしまいました。またS&P500も今後の見通しを下方修正する企業が徐々に増えてきています。業績が悪くなっていても強気でいる参加者増えているという事実に警戒心を高めていく必要があります。
まとめ
株式市場には多くの未確定要素が出てきています。
【買いはゆっくり、売りは慎重に】
株式市場の格言です。こんな難しい時期だからこそ企業業績の確認をして慎重にトレードするべきかもしれませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!