ステーブルコインについてちゃんと理解していないのに投資している方いませんか?はい、私です。何か凄いと言われているし、関連コインが値上がりしていたので勢いで飛び乗ってしまいました。
そんな方は私だけではないはず、と思い今回しっかり調べて記事にすることにしました。
今回の参考文献です
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結論
ステーブルコイン誕生によって、物々交換から紙幣による決済に変わったように、紙幣からステーブルコイン決済が起きる可能性が非常に大きくなっている。それを担うのは国家ではなく、民間になるかもしれない。
ステーブルコインとは
従来、仮想通貨を用いた売買が普及しなかったのは、仮想通貨自体の価格の動き(ボラティリティ)が大きすぎたからと言われています。そこで、既存の法廷通貨と同じ値動きをする仮想通貨があれば、、、という想いを形にしたものがステーブルコインです。
これが実現したことによって、「先月は1コインで変えたものが今日は2コイン必要になる」のような世界から抜け出すことができました。
値動きで儲けを出す"投資対象"という印象が強い仮想通貨ですが、ステーブルコインは仮想通貨でありばがら、このコイン自体の値動きで稼ぐことに目的を置いていません。
調べる前の印象・事前知識
まず、ステーブルコインについて今回しっかりと調べていく前の私の認識を以下まとめます。
・テザー社が開発したドルのステーブルコイン(通貨単位:USDT)であれば、$1≒1USDTの価値が常にある。
・ステーブルコイン1つの通貨に対して、いくつかある。ドルもUSDT以外のステーブルコインがある。
・中央銀行が発行するとCBDC(Central Bank Digital Currency)という名前になる(多分)。
・中国ではすでにCBDCであるデジタル人民元が始まっている。
解決したい疑問
ステーブルコインの使用用途
仮想通貨の下落時の逃げ場でのみ使われている?
現在のステーブルコインの主な利用方法は「待機用の資産」と表されていました。ビットコインの価格が上がって利益確定をしたい際などに使用するということですね。
それであれば現金に換えれば良いんじゃないか?という意見もありそうですが、仮想通貨への投資を続ける場合はこの仮想通貨の世界(クリプトスペース)に置いておくことが好まれます。
その理由は、現金に換金すると税金、手数料と時間がかかると『仮想通貨VS中央銀行』では記されています。
まず、手数料と時間についてです。そもそも論、日本の取引所で購入できる仮想通貨は非常に限られています。つまり、日本円で購入できる仮想通貨が限られているということです。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)は購入できるんですが、以前の記事で書いたような現在人気のレイヤー1トークンは金融庁の認可が下りておらず買えません。なので以下のようなスキームを使って購入します。
日本取引所で日本円でETHを買う
↓ 海外取引所にETHを送金
海外取引所でETHを受け取る
↓
海外取引所内でETHで別のトークンを買う
ETH建てであればほとんどのコイン(トークン)を購入できるので、日本取引所で日本円で買えるETHを買って海外に送っています。私の場合、赤字の送金のところで2,500円くらいかかりました。手数料が非常に高いんです。
更に、利益確定後、安定している日本円で管理するために、上記のルートの帰り道をしたらもう一度手数料を取られます。これを繰り返していたら、手数料で赤字が出てしまいます。
これが著書に記されていた、手数料と時間の問題でしょう。
なので、ステーブルコインができた今は、海外へ資金を送るために上記のルートを使うんですが、利益確定をする際にUSDTなどに変えて資産管理を行います。日本の取引所には送金しません。
税金面についてですが、著書は2020年6月に発刊されているからだと思いますが、既にメリットがない気はします。仮想通貨同士のトレードであっても毎回利益確定したことになるって定められたんですよね。
もしかしたらこの他の部分に税制面のメリットがあるのかもしれません。分かる方いたらコメントいただきたいです、、、
CBDCと民間ステーブルコインの違い
民間が法定通貨を発行・管理をしてもいいのか?
ステーブルコインって、テザー社だったり、Tearra社だったり民間の会社がやってるけど、そんなことありなんだなあって思ってましたが、これはしっかりと問題になっているみたいです。
中央銀行がお金に関する権力を失いたくないのでCBDCに関する研究が加速しているようです。2020年には、先進国の中央銀行が研究会を立ち上げました。
中央銀行からすれば、通貨の発行は本業であり、専売特許であるのでそれを民間企業には譲れないようです。社会の秩序を守っている自負もあるのでしょう。
本来、民間のステーブルコイン発行は、預かっている資産分(裏付け資産)のみできます。手元に1億円あれば、1億円分のコインしか発行できません。そうでないと、裏で悪い人が自分のためにコインを発行してしまうからです。(テザー社はこれをできていないと指摘されていますが、、、)
中央銀行であれば、そもそも裏付け資産である通貨を自在に発行できます。その点、CBDCは圧倒的有利な状況にいます。図体がでかい分、ハッキングのリスクや偽CBDCの対策が必要なため、動きが遅くなっているといったところです。
結論は、民間でも通貨を発行してもいい。でも中央銀行は、通貨に関する権力は自分たちが持つべきで、デジタルになろうがその覇権を取られたくないと思っている。という感じでしょうか。
民間ステーブルコインTerraを深掘り
Terra($LUNA)とは?
Terraは、今後非常に期待されているプロジェクトです。アルゴリズム型のステーブルコインUSTを持っています。ガバナンストークンである$LUNAの流通量を需給に合わせて調整することで1UST≒$1を実現しています。
ロシアとウクライナの戦争が始まり、ほとんどのコインが半値以下まで下落しました。それはTerraのガバナンストークンLUNAも同じでした。
しかし、3/16現在、仮想通貨時価総額TOP30位の中で唯一下落前まで値を戻しています。これはこのプロジェクトへの期待のあわられだと思っています。
ガバナンストークンとは?
ガバナンストークンとはプロジェクトの方向性を決める際や通貨の安定性を保つために使用されます。上述の通り、TerraのガバナンストークンはLUNAであり、このLUNAを需給に合わせて増減させることでステーブルコインを法定通貨と同じものに調整します。
公式の解説を見ていただければなんとなく分かると思います。
↓↓↓
韓国発Terra($LUNA)でできること
Terraのプロジェクト内でできることはChai、Anchor、Dropshipの3つです。
特にChaiは支払いを目的としたサービスで、2019年に韓国3大ECサイトである"TMON"でステーブルコインによる決済が可能になっていました。実はTerraの創設者はTMONの会長のようで、これが連携を高めている要因となっていそうです。
韓国人がChaiを使用するときのお金の動きについて解説記事がありました。
ChaiはPaypalのようにアプリと銀行口座を紐付けてデビットカードのような引き落としがあります。
使用している本人は別にステーブルコインを使用しているとか、ブロックチェーン上で動いているとかを感じることは無さそうです。
韓国人にLUNAについて聞いてみたら?
私は学生自体に中国へ留学していました。その際に出会った一般的な韓国人にChaiって知ってる?と聞くと
「なにそれ?」って言われました。
公式の発表だと200万人利用者がいるはずなのに、、、年齢は23歳~25歳の男女4人に聞きましたが全員知りませんでした。まだまだ数字以下の盛り上がりなのかもしれません。
下図は 韓国ウォンのステーブルコインの取引高です。時々ハネる時がありますが、基本は横ばいです。Chaiの利用者が爆増して取引量も韓国内で爆増しているイメージがあったので少し驚きました。
ちなみに、UST(Terra発行の米ドルステーブルコイン)の取引量はイメージ通り右肩上がりに増加していました。取引量が急騰した日があった影響でグラフが非常に見ずらくなっています。
2022年2月後半から取引量が増えていますが、これはロシアのSWIFT排除の影響だと考えられます。それを機に、ロシアの法定通貨はルーブルの価格が下落したので、USTを買ってお金の価値を維持する手段として選ばれました。
これをすぐに思いついて行動に移したマネリテレベル100の方がどれだけいたかわかりませんが、取引量の動きをみるとこの仮説はあっているのかと思います。
Terraの日本円ステーブルコインはあるのか?
現在Terraで発行されているステブルコインは以下の3つです。
アメリカドル "UST"
韓国ウォン "KRT"
モンゴルトゥグルグ "MNT"
Terraの公式に載っていた動画では、日本円の画像も載っており今後日本円ステーブルコインも出てくることは確実でしょう。ただ、日本ではお国柄ズケズケと入ってくると追い出されてしまうので、慎重に動いていくと思います。
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日本のステーブルコインはどうなるのか
CBDCは2026年が最速って聞いた気がする
やはり、日本では、日本銀行が早くて2026年くらいにCBDCの発行の能否が判断できると発言していました。CBDCとは、デジタルの通貨であり、紙じゃなくてデジタルデータでお金を使えるようにするということです。
昨今、〇〇Pay系が増えていますが、それとは少し異なります。
まず、CBDCはブロックチェーン上で運用されています。データの改ざんができなくなりますし、管理されているので悪いことをしたら足跡を追われます。
発行元も民間ではなく、日本の中央銀行です。民間よりも破綻や悪用のリスクが少なくなります。
とはいえ、利用者レベルでは表面上変わりません。アプリが変わったなあ、と思うくらいでしょうか。
国からの給付金は、デジタルで送ってくれるので楽かもしれませんね。
JPYCがtwitterをざわつかせているのは知っているけど、、、
JPYCについて調べると、「ERC20規格で〜」「イーサリアムのブロックチェーン上に〜」と書いてありますが、まとめると日本の法律を遵守している日本円のステーブルコインということで合っていそうです。
「直型前払式支払手段」であり、厳密には仮想通貨ではないようです。
ステーブルコインというと、ガバナンストークンで儲けられる!という流れで人気が出ることが多かったんですが、JPYCは"決済革命"という印象が非常に強いです。
社員40名のうち10名が10代という超若い社員が会社を支えています。Twitter手当もあり、ざわついていたのは、社員が積極的に発信しているからということでした。
既にふるさと納税がJPYCで可能な地域が出てきており、今後金融庁からライセンスが下りれば急スピードで伸びていくことは間違いなさそうです。
https://www.asteria.com/jp/inlive/finance/4876/
通貨大変革時代
一言でステーブルコインと言っても、一意ではないことがわかりました。
韓国のChaiのように自分がステーブルコインを使用しているとか、ブロックチェーン上で動いているとか、意識せずとも〇〇Payのように支払えることがこの5年〜10年で起きることだと思います。
物々交換の時代から紙幣に変わってきた歴史を見ると、通貨がデジタル化されることは不思議なことでもないかと思います。
この業界について楽しみながら注視していきます!
改めまして、今回の参考文献は以下の本です。記事には書ききれなかった、ステーブルコインの成り立ちや、なぜ国家が本気でCDBCについて研究を始めたのか、どのくらい本気なのかまで理解できます。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。